1.接触解析とは?
接触解析は、CAE解析のメニューの1つです。接触解析を実施することで、構造物を組み立てる際に発生し得る問題を未然に防ぐことが可能になります。
2.接触解析の進め方
まず、CADで作成した設計データ (CADモデル) をCAE解析ソフトウェアに取り込みます。
次に、メッシュモデルを作成し、相互作用の仕方を定義します:
(1) 接着接触・・・二つの物体が接触表面で固定されています。各物体の要素は、同じ大きさでなくて構いません。
(2) 一般接触・・・モデル内のパーツは、物体上の拘束に従って動くことが可能です。
シミュレーションしたい現象などを考慮して、より適切な接触方法を選び、接触状態のモデル化を行います。
モデル化の次に、実際の解析を行います:
(1) 接触状態・・・接触点、接触ノード、接触要素を可視化します。
(2) 接触応力※1・・・接触応力とその分布状態を可視化します。
(3) 変形図・・・接触による変形の様子も可視化します。
※1 接触応力:小さな接触面積において2つの物体が互いに押しつけ合うことで、局部的に生じる大きな圧縮応力。圧縮応力は、物体が外部からの力を受けて圧縮される際に生じる内部の応力。
画像でご覧頂いたように、3Dデータとマッピングを駆使して計算結果を視覚的に捉えることができるため、接触状態にある構造物に生じる変形・接触応力の大きさ・発生箇所を特定することが可能になります。
3.接触解析を活かした設計
接触解析を行うことで、組立構造物や、接触している物体間で生じ得る潜在的な問題を、設計段階で特定することが出来ます。また、そうした問題に対し、効果的な対策を講じることが出来ます。CAE解析前には想定し得なかった課題を試作品や製品の製造前に発見・特定し、構造物の材料または形状の再検討といったアプローチが出来るのはコンピュータ・シミュレーションならではのメリットです。試作品の製作・テスト回数を減らすことも出来るため、時間もコストも節約できます。ひいては設計プロセス全体の効率化にも繋がりますので、ぜひCAE解析を試して頂きたいと思います。
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