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安全機器
2024.07.15

PL(パフォーマンスレベル)とPLr(要求性能レベル)

2006年以降、機械安全の考え方は安全制御システムの構造のチェックに加えてその安全制御システムの信頼性をチェックする2層型の判定が必要とされるようになりました。
それによって誕生した新たな判定基準がPL(性能レベル)PLr(要求性能レベル)です。
製品のPLが設備に求められるPLr以上の基準が必要となります。

PL(性能レベル)の評価について

機械設計者の安全制御システムの性能レベルの指標でこの指標をパフォーマンス・レベル(PL)といい、”a”から”e”の5段階で評価されます。
安全制御システムの性能レベル:PLを評価するには4つのパラメータを用います

カテゴリ(Category)
制御システムの安全関連部の構造

制御システムの安全関連部のアーキテクチャ(構造)による分類です。
カテゴリの要求事項はISO 13849-1:1999と基本的には同様ですが、新たにI(入力機器)、L(論理処理)、O(出力機器)の要素を用いて、それぞれのカテゴリの基本的なアーキテクチャ(構造)をより具体的に示しています。

カテゴリB

機械制御システム安全関連部の目的機能の実現
予想されたストレス(例 : 震動、EMCなど)に耐えること

カテゴリ1

カテゴリB + 十分に吟味された高信頼性のコンポーネントを使用

カテゴリ2

カテゴリB + 安全機能が適切な間隔でチェックされること

カテゴリ3カテゴリB + 単一欠陥で安全機能は損なわないこと
単一欠陥はできる限り検出されること
カテゴリ4カテゴリB + 単一欠陥は安全機能実行時、もしくはその前に検出されること
実施できないときは、欠陥の累積で安全機能を損なわないこと
MTTFd(Mean time to dangerous failure)
システムが危険側故障にいたる平均時間

システムが危険側故障にいたる平均時間です。
部品にはそれぞれ固有の寿命がありますが、実際にはどれだけ頻繁に使われたかによって決まるB10d(信頼性工学で10%のサンプルが危険側故障にいたるまでに要した操作回数)を考慮して算出します。
計算結果によってLow, Medium, Highの3通りに分類できます。

 

平均危険側故障時間 MTTFd(年)
Low:3年≦MTTFd<10年
Medium:10年≦MTTFd<30年
High:30年≦MTTFd≦100年

DCavg(Average Diagnostic Coverage)
ソフトウエアを含めたシステムの信頼性

DCavgは「平均診断範囲」または「平均診断カバー率」といい、
安全関連システムが自己診断機能で危険側故障を検出できる率をあらわす指標です。
検出可能な危険側故障率 ÷ 全危険側故障率で算出します。
計算結果によってNone, Low, Medium, Highの4通りに分類されます。

 

平均診断範囲 DCavg
None:DC < 60%
Low:60%≦ DC < 90%
Medium:90%≦ DC < 99%
High:99%≦ DC

CCF(Common cause failure)
共通原因故障を低減させるような設計手順、工学手法を数値化した合計点数

CCFとは共通原因故障、つまり一つの原因による複数の箇所が故障することを指します。
こうした系統的な故障を防止する方策として、
予見可能な共通原因故障を低減させるための設計手順が採られたかどうか、
工学手法などから定められた値でスコア化してCCF耐性の高さを表します。
カテゴリ2以上のアーキテクチャにはスコア65点以上が要求されます。

カテゴリ、DCave、MTTfd、CCFスコアの値から安全機器のパフォーマンスレベルを算出します

当ウェブサイト掲載の安全機器のPLは上記を基に算出したものです。

PLr(要求性能レベル)の決定

PLr(要求性能レベル)はリスクアセスメントと同様、下記項目から判定を行います。

S:怪我の重大度
(Severity of Injury)
  • S1:軽傷
  • S2:重傷
F:危険にさらされる度合い
(Frequency and/or Exposure to Hazard)<
  • F1:まれに発生か短時間
  • F2:頻繁に発生するか長時間
P:危険源の回避の可能性、または危害の制限の可能性
(Possibility of Avoiding Hazard or Limiting Harm)
  • P1:ある条件で回避可能
  • P2:ほとんど不可能

PLr(要求性能レベル)はこちらの判定表から確認が出来ます。
判定表のPLr以上のPLの製品をご使用ください。

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