国際標準としての安全規格化(ISO/IECガイド51)により、機械や装置類にはこの規格に沿った安全方策が必要となります。
この国際安全規格は、極めて高い理念に基づき、広範囲を対象としたものとして体系化されており、規格は階層化構成となっていて、下位規格は上位規格に準拠する体系になっています。(下記図参照)
国際安全規格(ISO/IEC)ガイド51
1.基本安全規格(A規格)
2.グループ安全規格(B規格)
3.個別機械安全規格(C規格
このように国際安全規格の頂点に位置するA規格には、ISO12100(JISB9700)があり、機械の安全を構築するうえで機械が持つ危険源を見つけ、評価するリスクアセスメントが重要視されています。
現在、全世界向けの機械の設計・製造には、ISO12100(JIS B9700)とその関連知識が必要となります。
1.基本安全規格(A規格)
全ての規格類で共通に適用できる基本概念、設計原則を扱う規格。
特徴としては、リスクアセスメントに基づき、
- 設計(本質安全設計)によるリスクの低減
- 安全防護および付加保護方策によるリスク低減
- 使用上の情報によるリスク低減
と言う3つの方法を用いて、安全性を確保する事を要求している点です。
国際標準機構(ISO) | 国際電気標準会議(IEC) |
基本概念、設計のための一般原則 + リスクアセスメント及びリスク低減 (ISO12100) | – |
2.グループ安全規格(B規格)
安全関連設備で共通に使用されるような要素(例えば、安全に係わる装置や電気設備、電子機器など)と、安全に係わる物理量(例えば、温度や安全距離など)に関する規格です。
ISO13849-1 : 2015について
従来はスイッチやリレーなどに代表される電気機器(械)的部品(非半導体)、確定論的考えに立った設計と評価でしたが、機器(械)の複雑化、ソフトウエアによる制御などにより、従来の安全の評価方法では、実際の環境とそぐわないため、IEC62061の概念を取り入れたISO13849-1:2015に改訂されました。
従来の構造による定義のほか、部品レベルの危険側故障までの寿命、危険側故障検出を加え、安全制御システムの信頼性を確率論的に評価、実際の機械の使用 状況に合わせ、定量的に評価することが可能になりました。
国際標準機構(ISO) | 国際電気標準会議(IEC) |
・インターロック規格(ISO 14119) ・ガードシステム規格(ISO 14120) ・システム安全関連部(ISO 13849-1) ・及び安全関連部品規格(ISO 13849-2) ・安全距離規格(ISO 13852) ・突然の起動防止規格(ISO 14118) ・両手操作制御装置規格(ISO 13851) ・マットセンサ規格(ISO 13856) ・階段類の規格(ISO 14122) | ・電気設備安全規格(IEC 60204) ・センサ一般安全規格(IEC 61496) ・センサ応用規格(IEC 62046) 等 |
3.個別機械安全規格(C規格)
特定の機械に対する詳細な安全要件を規定した、いわゆる製品規格。
製品例 : 工作機械、産業用ロボット、鍛圧機械、無人搬送車、化学プラント、輸送機械など。
用語説明参考文献
- ISO「機械安全」国際規格 (社)日本機械工業連合会編 日刊工業新聞社
- 機械安全の国際規格とCEマーキング 丸山弘志 日本規格協会
~関連商品~安全機器の製品ページはこちら
ISO(International Organization for Standardization) |
国際標準化機構 : 工業規格の国際統一と調整を促進することを目的とし、1947年に設立しました。 加盟国160カ国以上。 スイスのジュネーブに中央事務局が置かれています。 |
IEC(International Electrotechnical Commission) |
国際電気標準会議 : 電気に関する国際規格の統一と協調を目的とし、1906年に設立しました。加盟国80カ国以上。 スイスのジュネーブに中央事務局が置かれています。 |